The lighthouse

迷ったら振り返ってみて

読書と映画と生活のはなし 2021 Jan

相手の好きなものを自分が好きでなかったとしても、その大切にしている気持ちを尊重することって難しい。たとえば、こっちから見ると大切にされているように見えないけど本人は諦めたくないと思ってるときとか。今まで理解してるつもりだったけど身をもって学んだ月だった。家族になるってときどき難しい。

それもあって年始から怒りともやもやで元気が出なかったのだけど、ずっと買おうと思って「ほしいものリスト」に入れていたBL小説や、見たいと思っていた映画、物語が元のわたしへと引っ張り上げるパワーをくれてちょっとずつ心が潤っていった。気持ちが落ち込んでいても、本を開いて活字を追っていくとそれだけでいい匂いのするフカフカのお布団に潜り込んでる気持ちになれる。読書のことめっちゃ好きだなと改めて思いました。読書最高。

あと、本を読むと自分の気持ちにぴったり合う言葉を見つけやすくなるという真理を感じた月でもある。愚痴を言うときに的確だと思える言葉を選んでクズな男のことを罵ったりできるようになった。

 

 

 

英語独習法 今井むつみ

honto.jp

 年末年始にかけて一気に読んじゃった本。英語学習の本ってダイエット指南の本と同じくらいいろんなメソッドで溢れかえってるけど、これぞ真理!と貪るように読んだ。

英語を母国語として育つ赤ちゃんがどうやって英語の暗黙のルールを体得していくのかを認知科学の専門家である今井さんが解説してくれたうえで、わたし達が母国語話者と同じように英語を操るためには必要なものは何かを教えてくれる。

母国語が英語と似ていないのに英語を話せる人がたくさんいるスウェーデンの英語教育を、実際に授業を視察して認知科学と照らし合わせて解説するコラムもあってページをめくる手が止まらなかった。読むのはもちろん、書くのも話すのも聞くのもまずは語彙力が必要だそうなので毎日英単語帳を開いてぶつぶつ唱えたりしている。(でも本当にそうだと思う。語彙が増えると聞き取れる英文が増えた気がする)

 

 

ロイヤル・フェイバリット ライラ・ペース

honto.jp

 年単位でAmazonの欲しいものリストに突っ込んだままになっていたBL小説をようやく買った。多分、2~3年くらいになるかもしれない。英国王室の王子と新聞記者が恋に落ちるお話だけど、記者のベンが君主制に批判的な視線を持っているのが書かれているのがよかったな。肉体関係から始まるけど、徐々に心の繋がりができてきて離れがたい存在になっていくのが読んでいて心地よくて貪るように読んだ。わたしは男と男がお互いの心に触れて、補いあうのが好きなんだ。続編もお正月休みに読破してしまった。

 続編はちょっと校閲が揺らいでいる(名前の表記、誤字)が気になったけど、ふたりのロマンスに影を落とすマスコミの過激さや、一般人が王室に入るのに伴う犠牲についても掘り下げられていて満足。

 

 

HeartStopper  Alice Oseman

www.webtoons.com

ゲイであることをカムアウトしていじめに遭っていたチャーリーが、授業でペアになったラグビー部の上級生ニックと関係を深めていく様子が丁寧に描かれていくwebtoon。優しくてあたたかい雰囲気に満ちていて、今月の一番の癒しだった。ニックとチャーリーの間に穏やかで愛に溢れた空気が流れているのが大好き。苦難はあるけれど、優しい人たちが見守っていてくれるのが分かっているので安心して身を任せられるのがいい。

イギリスのお話だけど(ケント州が舞台っぽい)、LGBTQが日常に浸透している社会でも自分のアイデンティティが否定されてしまうこともあるんだな、と気づきを得た。そのせいでチャーリーは心に傷を負っていて、自傷行為摂食障害に苦しんでいるのがお話が進むにつれて分かっていく。話題に上がるときには最初に注意書きがされているのも、愛だけではチャーリーには支えられないとニックが気づくところも作者の誠実さを感じられてとっても好きになった。現在もお話は続いていて、毎月1・11・21日に更新。 いまはこの更新を待ちながら生きてる。Netflixでドラマ化されるのでそれも楽しみである。楽しみは多いほどよいですな。

 

 

 ハスラー

冷え切った心を燃やしてくれる熱いシスターフッド映画だった。ジェニファー・ロペス演じるストリップクラブのトップダンサー・ラモーナのあたたかさに救われる。デスティニー(コンスタンス・ウー)とのコンビを見て、こんなに分かりやすい形ではないかもしれないけどわたしの周りにも連帯がもっと増えるといいなと思った。切ないけど好き。

 

 

Abstract

概念を形にするプロたちのNetflixオリジナルドキュメンタリーシリーズ。映像が凝った作りになっていて、現実の再構成っぽいなと思う瞬間もあるけど、聡明な人たちが形あるものを作る思考を覗き見できて面白い。出てくるのは、イラストレーター、舞台デザイナー(カンバーバッチのハムレットのデザインを担当した人だった!)、建築家、シューズデザイナー(ジョーダンシリーズを手掛けた天才だと知る)などなど。

今まで見たエピソードの中で引きつけられたのは、デンマークの建築家ビャルケ・インゲルスのデザイン。近未来的で機能的なところ(発電所とスキー場を組み合わせた場所づくりなんかもしていた)が特徴で、引っ張りだこの人気建築家というのを知る。BIGという彼が共同経営する建築事務所のサイトにこれまで手掛けた建築物があるので、これを見ながら旅行気分を味わおうかな。

big.dk

 

 

Made in Nature   DEGLET NOOR DATES 

今月のお気に入りのお菓子。甘すぎず滋味深い味わいのするデーツがおいしくて、追加で注文してしまった。 チャックで閉められるのも便利。勉強中でも仕事中でもつい食べてしまうので減りが早いし、栄養を食べている喜びがある。iHerbには同じブランドのドライフルーツが数種類取り扱われているので、ちびちび試してみたいな。

 

jp.iherb.com

 

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BROOKLYN NINE-NINE

 今月の最高でした大賞です。シーズンを重ねるごとに面白さがキレキレになっていくブルックリンナインナインにようやくシーズン6が追加されただけでも嬉しいのに、どのエピソードも好きになった。性暴力事件をうまく取り扱ってエピソードを作っていたのも信頼できるなと改めて思った。めちゃくちゃ笑えるのに見た人が傷つかないように練り上げる手腕に毎回恐れいる。

 チビデブハゲブスという呪いで笑いを取ろうとする(ちょっとずつ変わってはいるけど)日本の体質も変わって行ったらいいのにな。自分の国の現状を見るといつも白目になってしまう。頭はキレるけど小学五年生みたいなジェイクと真面目で仕事のできるエイミーがパートナーとして過ごすうちに生まれた心地よい空気がよくてですね・・・わたしは歯医者から走って99署に駆けつけたエイミーと、エイミーのエプロンを自然な動作で外すジェイクみたいなパートナーって最高だなとほっこりしておりました。最高という言葉をいくら使っても足りないくらい好きなシリーズ。早く続きが見たいよ・・・・・。

 

 

DASH&Lily

 Netflixオリジナルドラマシリーズの底力は尽きない。まだ面白いドラマがあったなんて!と掘り出し物を見つけた気分。クリスマスシーズンのニューヨークを舞台に、ティーンエイジャーのダッシュとリリーが一冊の赤いノートでお互いの心の傷や好きなもの、思い出を話し合って心の距離を縮めていくとっても可愛らしいお話。

 ロマンチックに振りすぎないさじ加減、出てくる人たちがみんなチャーミングな善人(一人若干例外はいるけど結局悪いやつではなかった)で、クリスマスソングが至るところに散りばめられたホリデーにぴったりのハッピーな気持ちになれるドラマ。ひとつのエピソードが30分で完結するのも見やすかったかも。ルポールのドラァグレースと並んで、元気をもらいたいときに見返す番組になりました。ニューヨークに行きたい!!!!!!!

 

 

 

来月のわたしへ:

今月が終わるときには1月よりも最高なわたしになっている予定ですのでよろしく。